突然振りかかった 未婚の兄の急病と介護、その先に見えたもの

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こんにちは。日々の終活や介護を通じて学んだことを綴っている「60代主婦のしっかり終活」ブログです。

脳出血から始まった兄の介護

私の兄(未婚・60代)は、2年前に脳出血で倒れました。
2か月の入院を経て退院し、一時は7割ほど回復したものの、後遺症として てんかん発作 と 高次脳機能障害 が残りました。

兄は当時90代の父と二人暮らし。脳出血になる前は父の身の回りをよく世話してくれており、私も安心して任せていたのです。ところが、退院後は予想外の展開が待っていました。

発作と感情の暴走、そして恐怖の瞬間

退院後しばらくは落ち着いていた兄でしたが、3度目のてんかん発作の入院を境に、性格が一変しました。
家でも外でも暴言、暴れる、物を投げる…。ある日、兄がハサミを持ち、父と言い争っていた時は「このまま傷害事件になったらどうしよう」と震えました。

後から聞くと単なる口論の延長で、父を傷つける意図はなかったとのことですが、私の心はすっかり限界でした。

地域包括支援センターへの相談

そんな時、友人から「地域包括支援センターに相談してみて」と助言を受けました。
兄の病状や日常の様子を記録し、最後に「助けてください」と書いた手紙を持って相談に行ったのです。

担当者さんはすぐに動いてくださり、精神科の受診をすすめられました。薬で興奮を抑えることもできるし、必要なら入院治療も可能とのこと。
私は迷わず兄に 3か月の入院 を勧めました。

父と兄、それぞれの介護施設へ

兄の退院後、父と兄を一緒に住まわせるのは危険と判断し、父(90代)(要介護2)は介護施設へ。
その後、半年ほど兄の一人暮らしを支えましたが、今年5月、兄も父とは別の介護施設へ入所することになりました。

施設入所の契約を終えて帰宅後、家でベッドに倒れ込み「わあーっ」と声を上げて泣いた自分を、今でも忘れられません。
安堵と同時に「兄のことは一生私が背負っていくんだな」という重さを感じた瞬間でした。

気づいたこと、そして学んだこと

私と兄は、特別仲が良いというわけではありませんでした。
しかし、両親が台風で被災した時に助けてくれたのは兄でしたし、母が亡くなった後も父と暮らしてくれていました。
だからこそ、感謝の気持ちは強くあります。

今回の経験で学んだのは――

  • 未婚・子なしの兄弟姉妹の介護は、突然降りかかるかもしれない
  • 親は順番通り先に亡くなるかもしれないが、兄弟姉妹はどちらが先か分からない
  • 自分の努力ではどうにもならないこともある。その時は地域や医療機関に頼ってよい

ということでした。

偶然知った『まいまいつぶろ』を読んで、涙があふれた

そんな中、偶然知った『まいまいつぶろ』(八代将軍吉宗の嫡男で、重い障がいを持ちながら、九代将軍になる家重の苦悩を綴った時代小説)を読み、兄を「病気のせいなのに、すべての人格を否定していた」自分に気づきました。

物語の概要

  • 徳川吉宗の長男である家重は、生まれつき言葉が不明瞭で体も不自由でした。
  • その姿や話し方から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれ、周囲から蔑まれ、将軍としての資質を疑問視されていましたが、唯一彼の言葉を正確に理解できた家臣が大岡忠光でした。
  • 忠光の存在によって家重は自分の意志を伝えることができるようになり、ふたりは絆を深めながら数々の困難や政争を乗り越えます。
  • 家重は「暗愚な将軍」と評される一方、忠光の助けを借りて財政改革や治水工事、側用人・田沼意次の抜擢など幕府に貢献する政を行い、その実像に光が当てられています。
  • 物語は、障害と偏見の中で育った家重が、理解者を得て成長し、自らの信念を貫く様子、また家重を支える側の孤独や葛藤、人間らしい善意や忠義の美しさを静かに描いています。

見どころ

引用元 Perplexity(パープレキシティ)
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それからは近所の神社に時々お参りしたり、YouTubeや本から癒しをもらったりと、少しずつ心の余裕を取り戻しています。

今、闘っている方へ

もし今、介護や病気で絶望の渦中にいる方がいたら――
「どん底が一生続くことはない」とお伝えしたいです。

周りの人に助けてもらいながら、知恵や癒しを少しずつ取り入れていきましょう。

このブログにたどり着いたご縁が、あなたの心を少しでも軽くする力になりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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